人と水をつなぐ仕事。

楽しいことをして笑う。悲しいできごとに涙する。
つまらないことで不機嫌になり、思いがけない幸福に喜ぶ。
人があたりまえの日々を生きる。
それを底から支えているのが水です。四大文明はすべて川の近くで起こりました。
人は水なしでは生きられないから水とともに歴史を歩んできたのです。
川の恵みは繁栄をもたらす一方で、氾濫によって時には多くの命を奪います。
水は与え、水は奪う。その長い繰り返しの中でついに生まれた叡智が水門です。
利水を促して、災害から守る。あたりまえの暮らしを、今日も水門が支えています。
人と水をつなぐ。
東洋プラントは水門のエキスパートです。

鞆の浦の
景観を守る。

鞆の浦は、福山市にある瀬戸内沿岸の港町です。古くは万葉集にも詠まれ、長く「潮待ちの港」として栄えてきました。江戸時代の常夜灯や伝統的な街並み、社寺が残っており、そこに明治以降の近代建築も加わって、時代を超えた美しい街並みをつくっています。その歴史的価値から国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているほか、2018年には日本遺産にも認定されました。
まさに日本の心の故郷といえる鞆の浦ですが、この周辺は高潮の被害に悩まされる土地でもあります。一般的な高潮対策としては、コンクリートの防波堤を築く護岸工事を行います。しかし、それではこの美しい景観を壊してしまいます。そこで、東洋プラントが設置したのが、起伏式の水門です。普段の水門が下がった状態では、アスファルトの道路と一体化して景観を邪魔しません。一方、高潮が迫った際には水門が上がり、ステンレス鋼製の防波堤になる仕組みです。災害から命を守ることを第一としながら、大切な景観も守る。東洋プラントでは、景観保護と防災を両立させる取り組みを研究し、実践しています。
暮らしを守る。

四方を海に囲まれ、四季を通じて雨が降りそそぐ日本は、水に恵まれた国です。その一方で、毎年のように大雨による河川の氾濫や台風による高潮の被害が発生しています。水による災害から暮らしを守るため、水門やポンプを設置すること。これは東洋プラントの柱となる仕事です。万が一に備えた設備の設計・製造・施工と運営で、水害に立ち向かっています。
例えば河川では、本流と支流の交わる地点で氾濫が起こりやすくなっています。そこに水門を設置して支流への逆流を防ぎ、さらに行き場のなくなった支流の水をポンプで本流に流す。これで氾濫のリスクを軽減することができます。また、高潮に対しては普段は格納できる水門が有効です。必要に応じて動かせる水門は、いわば可動式の防波堤。高潮の発生しやすい場所に設置することで、海水が街に侵入することを防げます。
どの設備も命に関わる重要なもの。社員全員がその覚悟をもって、緻密に設計し、正確に製造し、丁寧に施工しています。一部、運営を任されている設備ではいち早く現地に駆けつけ、水門を閉めてポンプを稼働し、水位の変化を監視しています。水の災害から暮らしを守る。これからも、そのためにできる限りの努力を続けていきます。
農業を守る。

日本人の食生活は米が主食ですが、米を育てる稲作には大量の水が必要です。その水は水道水ではなく、今でも川の水が利用されています。川の水位を上げるための起伏式の水門や、川から用水路へ水を引き込むための水門を見たことがないでしょうか。あれらは、川の水を農業に利用するための利水設備。利水設備の設計・製造・施工も東洋プラントの仕事です。
ただし、いくら農業用といっても際限なく水を引き込んでしまえば生態系や環境への影響が出てしまいます。また、むやみに川をせき止めれば洪水の危険性が増します。農業を支えながらも、自然や暮らしを守る。これが利水設備の絶対条件。水門を設置する際には生物が行き来できる場所を確保したり、水量に応じて水門を上げ下げできるようにするなど、様々な工夫を施しています。
日本にはたくさんの川がありますが、どれひとつとして同じものはありません。水の流れ方や環境、用水路の規模などを合わせて最適な利水設備を提供することで、私たちは日本の農業を支えています。